審査員のランディ・ジャクソンが頭を抱える。ジェニファー・ロペスは「何が起こったかわからない」とうろたえる。

米人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」の、トップ9からトップ8に絞られる回(全米4月7日放送、日本4月17日放送)において、実力者の一人と見られていた参加者が視聴者からの投票の結果、脱落し、動揺が走った。

番組を去ることになったのは、ニューヨーク出身のピア・トスカーノ、22才。抜群の美貌に加えて、バラードを堂々と歌い上げる様は、ディーヴァの風格さえ漂わせていた。前日のパフォーマンスでもアイク&ティナ・ターナーの「リヴァー・ディープ・マ� �ンテン・ハイ」を見事に歌い、会場から大歓声を浴びた。

しかし、トップ12決定以降は視聴者からの投票のみで決定する「アメリカン・アイドル」はピアに非情な結果をつきつけた。なんとか気丈にふるまうピアだったが、最後の歌を歌いきった後は、他の参加者に抱きついて泣き出す。3人の審査員は一度だけ脱落者を救う権利を持っているが、2週前にそれを使ってしまっており、なすすべもなく天を仰ぐしかなかった。すべてがルール通り。

これまでのシーズンでも、投票の結果、実力者が脱落するシーンはあった。逆に実力はそこそこでも、ルックスや人柄が評価され上位まで残る者もいた。すべて視聴者の投票が決める「アメアイ」のスリルであり面白さでもあった。

また、今シーズン、ここまで残った 参加者はみな実力者揃い。明確な優勝者候補はおらず、大混戦になることは予想されていた。

しかし、実力に加えルックスも揃ったピアが、トップ8という比較的早い段階で落ちてしまったことにショックを受けた人は多かったようだ。常に全米視聴率No.1を走り続けている人気番組だけに、その衝撃は芸能界にも広がった。

人気俳優のトム・ハンクスは自身のツイッターで、「どうしてUSAはピアを落選させることができるんだ?自分にとって今シーズンは終わったかもしれない!」とツイート。

人気海外ドラマ「チャームド」で日本でも人気のアリッサ・ミラノも、「何が起こったの?ピアが追い出されたの?なぜ?頭が混乱するわ」とパニックした様子でツイート。

リメイク版「チャーリーズ・エンジェル」の出演が決まっているミンカ・ケリーも、「なぜピ� ��が『アメリカン・アイドル』から脱落したのか、誰か説明して」とツイートし、困惑と憤りを露わにした。

しかし、逆にこれがメディアの注目を集める結果となった。翌日から、ピアはさまざまなインタビューやトークショーに引っ張りだこ。人気コメディアンで「アメアイ」の審査員も務めたエレン・デジェネレスのトークショーにも出演。

さらに、放送のわずか2日後には、大手レコード会社のインタースコープ・レコードと契約する見込みだと報じられた。「一流の作曲家とプロデューサーを集めてアルバムを作り、急いでリリースする予定だ」と関係者情報として伝えられている。

ピアはショッキングな結果からすでに立ち直り、真のディーヴァを目指してすでに一歩目を踏み出しているようだ。また、有力な参加者を一人失ったとはいえ、実力者揃� ��で依然、優勝争いが混沌としている「アメリカン・アイドル」にも引き続き注目だ。

【動画】「アメリカン・アイドル」ピア脱落に会場は騒然